また、日本のヘアスタイルの歴史と時代背景では「明治(1860 年代)~平成初頭(1990 年代)の時代背景と、ヘアスタイルの移り変わりについて、一般的な知識を有すること」がもとめられます。
(1)日本のヘアカットの歴史
1.日本のヘアカットのはじまり
安政(あんせい)5年(1858年)に、横浜、神戸、函館、長崎、新潟の港が開港されました。中でも横浜は江戸に近い港であったため、急速に発展しました。
1864年、明治維新の頃、ファーガスン*ヨーロッパ理容師 が、横浜のホテルにサロンを開きました。これが日本初の理容店とされています。
日本人では、明治1,2年(1868年)の頃、小倉虎吉が横浜の外国人居留地の中国人宅の階下に開業したのが、日本人による西洋理容業の始まりといえます。
小倉虎吉は、横浜港の開港後、外国船に出入りして乗員のヒゲをそっていました。日本でも散髪が流行ると感じ、外国船の西洋理髪師から技術を学んだといわれています。
「文明開化はまず散髪から」という断髪風俗*断髪するという生活の上の時代の傾向。にともない、理容店も横浜から起こりました。
2.文明開化
古来より日本では、男性は髷(まげ)、女性は髪を結うのが一般的・・・
省略
(2)日本のヘアスタイルの歴史と時代背景
1.日本のヘアカットの歴史と時代背景(時代別)
明治時代(45年間1868〜1912) 発展
1883年(明治16年)頃、当時の在仏公使館員(ざいぶつこうしかんいん)*フランスから日本に駐在している公使館員。がフランスから手動のクリッパー※1を持ち帰りました。これを理容師が使ったことから、クリッパーが広まりました。
※1クリッパー=バリカンのこと。ジャッキとも呼ばれていた。日本に最初に舶来したクリッパーがフランスの製作所「バリカン・エ・マール社」であったことがバリカンの由来といわれている。
クリッパーのもつ効率の良さが新たな髪型を生み出し、
- 丸刈り*坊主
- 八分刈(はちぶがり)*14㎜程度の短さの坊主
- 五分刈・・・
省略
練習問題
【問1】明治維新以前は、日本人はどのような髪型をしていましたか?
1.坊主
2.髷
3.ツーブロック
4.断髪
【問2】散髪脱刀令(断髪令)は具体的にどのような内容でしたか?
1.髷を禁止して散髪を強制す・・・